花火などの明るい被写体を撮影したり、景色全体をくっきり写す場合、絞りを絞る(F値を大きくする)のが効果的です。
ところが絞りすぎると回折現象(小絞りボケ)が起こり、写真の品質に影響を及ぼします。
いったいどういうことなのか…本記事では回折現象の基本的な原理と、写真にもたらす影響についてなるべく分かりやすく解説していきます。
回折現象とは
回折現象とは隙間や障害物の背後に回り込んで波面が伝わる現象をいいます。
一般的に波が隙間のある衝立に入ってくると、衝立の背面にも波面が回り込んできます。
この隙間の幅が波長よりも十分に大きい場合は回折の影響をそれほど受けませんが、同程度以下の場合は衝立の背後に波が回り込みやすくなり、影響が大きくなります。
で、カメラの世界と回折現象にいったい何の関係があるんだ?と思われるかもしれませんが、写真はレンズの絞り(衝立)を介した光(波)を取り込んで生成されます。
人間の目に見える光(可視光)の波長は以下の通りです。
- 紫:380-430 nm
- 青:430-490 nm
- 緑:490-550 nm
- 黄:550-590 nm
- 橙:590-640 nm
- 赤:640-770 nm
とどのつまり、レンズの絞りが小さい(F値が大きい)ほどこの回折現象の影響を受けやすくなるわけです。
回折現象について詳しく知りたい方は以下のサイトも併せてご覧ください。
回折現象が写真にもたらす影響
写真撮影において回折現象が起こると、写真全体がぼやけた感じになります。
具体的にどんな感じになるのか…実際にF8.0とF16で撮影した写真を用意してみました。
キャラクターの文字の部分に着目していただくと、F8.0で撮影した写真はくっきりしているのに対し、F16で撮影した写真はぼやけているのが見て取れるかと思います。
ある一定のラインまで絞れば全体がくっきりとした絵になりますが、極端に絞りすぎると写真がぼやけた感じの仕上がりになるため注意が必要です。
一般的にイメージセンサーが小さいほど、回折現象の影響を受けやすいと言われています。(レンズ径が関係している?)
まとめ
本記事では回折現象についての概要と写真への影響について解説してまいりました。
回折現象は波が衝立の隙間に入った際に起こる現象で、波長が隙間の大きさより小さくなればなるほど受ける影響が大きくなります。
カメラの世界においては光(波)とレンズの絞り(衝立)がこれにあたり、絞りの大きさ(隙間)が極端に小さくなると写真がぼやけた感じになります。
絞りを絞る(F値を大きくする)とカメラへ入ってくる光量を抑えたり、全体をくっきり写せるようになりますが、絞りすぎると写真の品質に影響が出るんだと頭の片隅に置いといていただければ幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございますm(__)m
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