皆さん、おはこんばんちは。おーわ(@mof_mof08)です。
デジタル一眼カメラやスマートフォンを選ぶ際の基準として、画質を重視するという方もたくさんいらっしゃるかと思います。
ところでデジカメの画質はいったいどのようにして決まってくるのでしょうか?
画質とは
そもそも画質とはなんぞやという話ですが、早い話が画像の見た目の質のことをいいます。
画質の定義としては大きく二つに分類されます。
- 主観的定義:人間の見た目による印象
- 客観的定義:解像度、MTFなどによる評価
例えば画質を測るための客観的な基準としてMTF(Modulation Transfer Function)があります。
MTFはレンズのヌケ感(コントラスト)と解像感を示す基準で、グラフの曲線が高ければ高いほど性能が良いレンズということになります。
高性能なレンズは高いコントラストおよび解像感が得られるかもしれませんが、それが必ずしも見る側にとって好みの画質かどうかはまったく別の話になります。
人間には記憶色と呼ばれるものがありますが、人間同士でも見え方の違うという点も関わっていると考えられます。
一応のところ画質には客観的な定義は存在するものの、実際のところは見る側の主観によるところが強いということを頭の片隅に置いといていただければと思います。
デジカメの画質を決める要素
ひとまず画質とはなんなのかというところをざっくりと把握していただいた上で、ここからが今回の本題です。
デジカメにおける画質は大きく3つの要素で決まってきます。
- 画素数と1画素の面積
- レンズの光学性能
- レタッチ(画像処理)
え?イメージセンサーが大きければ大きいほど、画素数が多ければ多いほど画質が良いんじゃないの?と思われるかもしれませんが、残念ながらそんな単純なものではありません。
上記の3つの要素が複雑に絡み合うことでデジカメの画質は決まってくるのです。
画素数と1画素の面積
まずは大きなところとしては画素数とイメージセンサーの大きさが挙げられます。
イメージセンサーは「画素」と呼ばれる受光素子の集合体ですが、画素数と1画素の面積によって解像感と明暗部の表現力(ダイナミックレンジ)が変わってきます。
んなこといきなり言われてもなんじゃらほいほい?!ということで、順を追って解説していきます。
まずは解像感についてですが、これは単純にイメージセンサーあたりの画素数が多ければ多いほど増していきます。
このあたりはドット絵をイメージしていただくと分かりやすいかなーと思いますので、ひとまずお茶でも飲みながら以下の図をご覧ください。
こちらはドット数が異なる同じ大きさのキャンバスに「ABC」の文字を描いたものになりますが、画素数が多ければ多いほどより細かい部分まで文字を描きやすくなります。
解像感はキャンバスに敷き詰められたドット数によって決まってくるため、仮にキャンバスのサイズが小さくなってもドット数が同じであれば得られる解像感は同じです。
さて、ここまでの話を通じて「画素数が多ければ多いほど高画質になるのでは?」と思われた方もるかもしれませんが、実はもう一つ重要な要素が関わってきます。
それが光の受け皿となる1画素あたりの面積で、1画素あたりの面積が大きいほど明暗部の表現力(ダイナミックレンジ)が高まります。
これについてはお皿に料理を盛り付けるシーンに置き換えていただくとイメージしやすいかと思います。
一定量の料理をお皿に盛り付けようとした際、大きなお皿であれば余裕をもって盛り付けることができますが、小さいお皿に盛り付けようとするとすぐにお皿いっぱいになってしまいます。
光も同様で、1画素の面積が大きければたくさんの光を受けることができますが、面積が小さければ受け取れる光の量は少なくなってしまいます。
ちなみに1画素に収まりきらなかった光は白飛び(影の場合は黒つぶれ)として現れることになりますが、1画素の面積が大きいほど白飛び(黒つぶれ)に至るまでの許容範囲、すなわちダイナミックレンジが広がるということになります。
- 画素数が多いほど解像感が増す
- 1画素の面積が大きいほど明暗部の表現力(ダイナミックレンジ)が増す
【コラム】イメージセンサーの大きさと画質の関係は?
イメージセンサーが大きいほど画質が良いという話を耳にした方も多いと思いますが、これについてはイメージセンサーが大きいほど1画素当たりの面積に余裕を持たせることができるというのが理由の一つとして挙げられます。
例えば同じ画素数のフルサイズ機とAPS-C機の場合、1画素の面積はフルサイズの方が大きくなります。
先ほど1画素の面積が大きいと明暗部の表現力(ダイナミックレンジ)が高まると解説しましたが、イメージセンサーが大きいほど画質面で有利になるのはこのためです。
レンズの光学性能
カメラの画質を決める2点目の要素がレンズの光学性能になります。
実はカメラのレンズはすべて同じというわけではなく、製品によって光学性能がぜんぜん異なります。
いったいどれぐらい変わるのか…ちょっと極端な例ですが、PENTAX K-1というカメラに1977年製のレンズ(いわゆるオールドレンズ)と2016年製のレンズを装着して撮影した花の写真を見比べてみてください。
いかがでしょうか?
両者とも同じカメラかつほぼ同じ条件で撮影したにもかかわらず、画質が驚くほど異なることが見て取れるかと思います。
1977年製のレンズで撮影した写真は主題と背景が全体的にフワッとしているのに対し、2016年製のレンズで撮影した写真は対照的にクリアなのが見て取れるかと思います。
ちなみにレンズの性能についてはMTF曲線と呼ばれるグラフを読み解くことで、ざっくりと把握することができますので参考までに。
レンズの光学性能によって画質は大きく変わります。
レタッチ(画像処理)
そして、画質を左右する三つ目の要素がレタッチ(画像処理)です。
デジカメで受け取った光の情報(RAW形式)はレタッチの工程を経て、最終的にJPEG形式へと変換・出力されます。
※デジタル写真ができるまでの流れは以下の記事を参考にしてみてください
デジカメの内部には画像処理エンジンと呼ばれるチップが搭載されていて、撮影した光の情報に対して色付けを行います。
各一眼カメラメーカーの画像処理エンジンは次の通りとなります。(同一メーカーでも異なる場合あり)
- Canon:DIGIC
- Nikon:EXPEED
- SONY:BIONZ
- RICOH:PRIME
- FUJIFILM:X-Processor
- OLYMPUS:TruePic
- Panasonic:ヴィーナスエンジン
実はこの画像処理エンジンというのはカメラメーカー毎に独自の設計がなされていて、同じような仕上がり設定にしたとしても出力される写真の画質はまったく異なります。
例えばPENTAXの一眼カメラとOLYMPUSの一眼カメラの仕上がりには「ナチュラル」という設定が用意されていますが、同じ「ナチュラル」でも雰囲気がだいぶ異なります。
なお、レタッチにはカメラ内部で行う方法の他に、Adobe Photoshop Lightroomなどの写真編集ソフトを使って独自で行う方法がありますが、これまた処理の方法によって画質が大きく変わってきますので参考までに。
各社の画像処理エンジンによって写真の画質は変わってきます。(独自レタッチの場合も同様に画質が変わってきます)
まとめ
デジカメの画質は次の3点によって決まってきます。
- 画素数と1画素の面積
- レンズの光学性能
- レタッチ(画像処理)
カメラを選ぶ際に画質を重視するという方も多いと思いますが、上記の要素が複雑に絡み合うことで画質が決まってくるんだということを頭の片隅に置いといていただければ幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございますm(__)m
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