皆さん、おはこんばんちは。おーわ(@mof_mof08)です。
一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラを選ぶ際、仕様などを調べると「バッファ」と呼ばれる単語が出てきます。
バッファって聞いてもなんだかピンとこない方も多いかと思いますが、実は写真撮影をスムーズに行う上で欠かせない存在なのです。
バッファとは
バッファとは一時的に写真や動画データを蓄積するためのメモリ(RAM)領域のことをいいます。
デジタル一眼カメラで撮影した写真・動画データはいったんバッファに蓄積された上で、順次メモリーカード(SDカード、コンパクトフラッシュなど)へと転送されていきます。
なぜこんな面倒な構成になっているのかという疑問が出てきそうなものですが、その理由については後述で紐解いていきたいと思います。
ひとまずここではバッファってこんな感じなんだなーということを、なんとなーくイメージしていただければ幸いです。
参考までにバッファは日本語で「緩衝器」「緩衝物」を意味します。
バッファとメモリーカードの関係
先ほど、一眼カメラで撮影した写真や動画データはバッファにいったん蓄積した後、メモリーカードへ転送されると紹介しました。
わざわざバッファなんて経由しなくても…って思われるかもしれませんが、これにはメモリーカードの特徴が関係しているのです。
両者の特徴をざっくりまとめたものが、以下の表になります。
容量 | 転送速度 | 揮発性 | |
バッファ | 小さい | 速い | 高い |
メモリーカード | 大きい | 遅い | 低い |
メモリーカードは容量が大きく揮発性が低い(電源をOFFをしてもデータ保持可能)ため、写真・動画データの保存に向いています。
しかし一方で転送速度が遅く不安定なため、カメラから直接データを書き込もうとすると撮影がスムーズにできなくなってしまいます。
例えば30MBのRAW形式の写真データをメモリーカードへ書き込むとします。
最大書き込み速度が450MB/sのSanDisk Extream Pro CFast 2.0カードへ転送しようとした場合、最低でも1枚当たり約0.06秒かかる計算になります。
これは単純計算で約16枚/秒を転送できるという計算となります。
同条件で最大書き込み速度が90MB/sのSanDisk Extream Pro(UHS-I)へ書き込もうとした場合、1枚あたり最低0.3秒(単純計算で1秒あたり最大3枚程度)も要することになります。
ちなみに写真・動画データは1枚(1フレーム)単位でメモリーカードへ書き込まれます。そして、書き込みが完了するまでは次の撮影をすることができません。
加えて、メモリーカードは状況によって転送速度が極端に遅くなるという問題があります。
転送速度が追いつかないと連写や動画はおろか、通常の写真撮影でさえもスムーズにできなくなってしまいます。(動画の場合はコマ落ちが起こる)
それではさすがに困る…ということで、より転送速度に優れたバッファへいったん書き込んだのち、そこからメモリーカードへ転送する流れを取っています。
バッファはメモリーカードと比べて転送速度がはるかに高速かつ安定しています。
そのため、いったん写真や動画のデータをバッファに蓄積した上で、順次メモリーカードへ書き込んだ方が効率的に処理ができます。
ファミレスなんかで待つときの様子を想像していただくと、なんとなく理解しやすいんじゃないかと思います。
じゃあ、いっそのことバッファへデータを保存すれば良いんじゃないか?というギモンが出てきそうなものですが、これもまた困難な話…。
実はバッファはメモリーカードと比べて容量が非常に小さい(多くても数GB程度)ため、大量のデータ保管には向いていません。
ファミレス店内のキャパシティーに対して、待合室はそれほど大きくない場合がほとんどです。あくまでも一時的な待機場所ですしおすし。
しかもバッファは揮発性メモリのため、カメラの電源がONの時しかデータを保持することができない仕組みとなっています。
以上のことから、メモリーカードへの写真・動画データの転送する際にバッファは欠かせない存在となっているのです。
バッファは連写時の連続撮影枚数に影響する
バッファの性能は写真および動画撮影の性能、とりわけ連写撮影において大きく影響します。
連写をしている途中で遅くなる、止まるなんていう経験をした方も多いと思いますが、これはバッファの容量が大きく関係しているケースがあります。
※一眼カメラで連写が止まる原因については以下の記事も参考にしてみてください
一眼カメラの仕様のページにはたいてい連続撮影枚数の上限が書かれていますが、これがバッファの容量がどの程度あるかを示しています。
例えばPENTAX K-1 MarkIIの場合、フルサイズかつ14bit RAW形式で4.4コマ/秒、連続撮影枚数は最大17枚となります。
これはすなわち、最大17枚までは連続で撮影できるということになります。(実容量は非公開ですが、単純計算で約45MB×17枚≒765MB)
そして、このバッファの容量はカメラ毎に異なります。
画素数がK-1 MarkIIに近いNikon D810は連続撮影枚数が28枚(ロスレス圧縮14bit RAW)と少し多くなっています。
途切れない連写をしたいと考えている方は、連写速度だけでなく連続撮影枚数(バッファの容量)も考慮した上でカメラ選びをすることをおすすめします。
メモリーカードの転送速度も重要
先ほどバッファーの容量は連写撮影をスムーズに行う上で重要だとお伝えしましたが、併せてメモリーカードの転送速度(書き込み速度)も重要になってきます。
撮影中にバッファがいっぱいになってしまうと、その間は次の撮影ができなくなってしまいます。
メモリーカードへの書き込みが進みバッファに空きができると撮影を再開することができますが、メモリーカードの書き込み速度次第で次の撮影ができるまでの時間が変わってきます。
例えば30MBのRAWデータを書き込む際、書き込み速度が90MB/sのSDカードでは約0.3秒かかるのに対し、30MB/sでは1秒かかる計算になります。
単純な話、メモリーカードの書き込み速度が遅いと、バッファがいっぱいになってから次の撮影を再開できるまでに時間がかかってしまいます。
バッファの容量だけでなく、メモリーカードの書き込み速度にも気をつけていきたいところです。
実際の撮影において連写はピンポイントで使うことが多いため、メモリーカードの書き込み速度よりもバッファー容量(連続撮影枚数)を優先してカメラ選びをするのがおすすめです。
まとめ
一眼カメラのスムーズな撮影を支えるために欠かせない存在のバッファ。
特に連写撮影を行う場合にはバッファの容量(連続撮影枚数)次第で、スムーズに撮影できるか否かが決まってきます。
本記事でなんとなーくバッファの役割や仕組み、メモリーカードとの関係性について把握していただけたようであれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございますm(__)m
カメなれっ!の最新記事情報は各種SNSサイトやFeedlyなどのRSSリーダーでご購読いただけます。