カメラの基礎知識

一眼カメラにおけるクロップの概要と効果的な使い方

皆さん、おはこんばんちは。おーわ(@mof_mof08)です。

一眼カメラを使って写真を撮る方の中には、クロップという言葉を聞いたことがあるという方もいらっしゃるかと思います。

ところでクロップとは具体的にどのような機能で、どういった場面で使うのが効果的なのでしょうか。

クロップとは

撮影の段階で特定の範囲を切り取る機能のことをクロップといいます。

クロップ機能の主な特徴としては…

  • 撮影の段階で特定の範囲のみを記録する
  • 画質は維持もしくは向上する
  • 画素数が削減される

の3点となります。

クロップ機能を使用すると、イメージセンサーで受け取った光の情報から特定の部分のみを切り抜いた上で記録されます。(下図の黒枠で示した部分を除いた上でメモリーカードへ記録されます)

クロップは撮影段階で記録する範囲を決める

注意点としては撮影の段階で切り抜きが行われるため、RAWおよびJPEG形式を問わず記録画素数が減少します。

画素数が落ちるということは画質も落ちるのでは?と思われるかもしれませんが、イメージセンサーの1画素の面積そのものは変わらないため、画質については維持されます。(後述でも紹介しますが画質が向上することもあります)

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ちなみにクロップ機能は2019年9月現在でNikon、SONY、PENTAXのフルサイズ一眼カメラに用意されています。

トリミングとの違い

同じく写真の一部を切り抜くという処理としてトリミングというものがあります。

クロップと異なる点としては…

  • 撮影後に写真の一部を切り出す
  • 切り出す範囲を細かく調整できる
  • 画質が劣化する場合がある(特にJPEGの場合)

の3点となります。

クロップが撮影段階(RAWもしくはJPEGを生成する段階)で切り抜きをするのに対し、トリミングは撮影後の写真データから切り抜くという点で異なります。

ちょっと混同しやすいかもしれませんが、クロップとトリミングは似て非なるものだと覚えておきましょう。

スマートフォンを含む多くのデジカメでは「3:2」「4:3」「16:9」といった具合に写真の縦横比を設定できるようになっていますが、これはトリミングの一種となります。

クロップの使い方

クロップ機能の主な使い道としては次のようなものが挙げられます。

  • 異なるイメージサークルをカバーするレンズを使用する
  • 意図的に画角を狭める
  • 画質を向上させる
  • 連写機能を向上させる

異なるイメージサークルをカバーするレンズを使用する

クロップ機能の主たる用途としては、なんといっても異なるイメージサークルをカバーするレンズを使用することでしょう。

交換レンズはイメージサークルと呼ばれるものが決まっていて、例えばAPS-C対応のレンズをフルサイズ機で使用すると周囲に黒い影(ケラレ)が生じてしまいます。

APS-C対応レンズをクロップ機能を使用せずに使用した場合の例

このような場合、クロップ機能を使ってAPS-Cの範囲のみをあらかじめ切り抜くことで、フルサイズ機においてもAPS-C対応のレンズを利用してもケラレを生じることなく撮影できるようになります。

特にAPS-Cとフルサイズで同一のマウントを採用しているNikon(Fマウント)、SONY(Eマウント)、PENTAX(Kマウント)においてAPS-C対応のレンズを使用する場合には非常に役立つ機能となります。

APS-C対応のレンズでも、クロップ機能を使用せずにフルサイズ機で使える製品も一部あります。(画質は保証されませんが…)

意図的に画角を狭める

意図的に画角を狭めたい(焦点距離を伸ばしたい)といった際にもクロップ機能は役立ちます。

例えば50mmの焦点距離のレンズをフルサイズ機で使用した場合は50mmとなりますが、同じくAPS-C機で使用すると76.5mm程度になります。

巷でよく聞く「35mm判換算」っていったいなんだ?」という記事の中でも紹介しましたが、イメージセンサーが小さいほど画角が狭くなります。

フルサイズ機でAPS-Cの範囲でクロップした場合、画角も狭められます。

もう少し焦点距離を稼ぎたい(画角を狭めたい)といった場合、クロップ機能を活用することで本来の画角よりも狭めることができるようになります。

画質を向上させる

画質を向上させるという目的でもクロップ機能は役に立ちます。

一般的に交換レンズは中心部ほどコントラストや解像感が高く、四隅に向かうにつれて落ちる傾向があります。

※このあたりはMTF曲線を読み解けると理解しやすいですので参考にしてみてください

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そこでクロップ機能を使用することにより、画質が良好な中心部付近のみを使って撮影できるようになります。

画素数を犠牲にしてでも高いコントラストや解像感を維持したいといった場合にクロップ機能は役立つので活用してみるのも一つの手です。

クロップ機能は切り取り範囲があらかじめ決められているため、より細かく調整したい場合には画像処理ソフトを使ってトリミングすることをおすすめします。

連写性能を向上させる

クロップ機能を活用することで、連写速度と最大撮影可能枚数を向上させることができます。

先述したように、クロップ機能は撮影の段階で所定のサイズへ切り抜きを行った上で記録されますが、これにより写真1枚当たりの画素数が小さくなります。

画素数が小さくなるということは写真1枚当たりの容量も減少することになるため、連写性能を向上させることができます。

例えばPENTAX K-1 MarkIIというカメラでRAW形式にて連写撮影をした場合、クロップ機能を使用した場合とそうでない場合で以下のような違いが出ます。

クロップ未使用/使用時の連写枚数の違い(PENTAX K-1 MarkIIの場合)
クロップ未使用 クロップ使用
連写速度 4.4枚/秒 6.4枚/秒
最大撮影可能枚数 17枚 50枚

画素数を犠牲にしても連写性能を重視したいという際にもクロップ機能を活用できるということを覚えておくと、いざというときの役に立つと思います。

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まとめ

クロップ機能とは写真の一部を切り抜く機能で、撮影の段階で切り抜きが行われるという特徴があります。(トリミングとは性質が異なります)

主にフルサイズとAPS-C機で同一マウントを採用したカメラの互換性維持を目的に用意された機能ですが、連写性能の向上や焦点距離を稼ぐ際にも役立ちますので、ぜひ活用してみてください。

最後までご覧いただき、ありがとうございますm(__)m

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おーわ
花火系散歩屋。関東を中心に年間で20〜50回ほど花火をながめながら撮影しています。
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