皆さん、おはこんばんちは。おーわ(@mof_mof08)です。
一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラには、撮影者が意図する写真を撮れるようにするために撮影モード(露出モード)たるものが付いています。
ところで撮影モードとはいったい何なのか…今回は5つのモードの特徴、違い、使い分け方についてざっくりと解説していきます。
撮影モードとは
撮影モードとは露出を決める三要素(絞り、シャッタースピード、ISO感度)の中で撮影者がコントロールする項目を決めるための機能です。
一眼カメラをお使いの方であれば、カメラ本体のダイヤルに「P」「S」「A」「M」なんていうアルファベット記号を一度は目にしたことがあるかと思います。
なんだこのSMAPの解散後の姿みたいな記号群は?!
なんじゃらほいほいって感じですが、このSMAPの残骸みたいな謎の記号こそが撮影モードなのです。
さて、現在の一眼カメラには基本的に以下の5つの撮影モードが備わっています。
- オートモード
- プログラムオート(P)
- 絞り優先(A、Av)
- シャッター優先(S、Tv)
- マニュアル(M)
これら5つの撮影モードについてざっくりまとめると次の通りとなります。
撮影モード | 絞り | シャッタースピード | ISO感度 |
---|---|---|---|
オート | 自動 | 自動 | 自動 |
プログラムオート | 自動/手動 | 自動/手動 | 自動/手動 |
絞り優先 | 手動 | 自動 | 自動/手動 |
シャッター優先 | 自動 | 手動 | 自動/手動 |
マニュアル | 手動 | 手動 | 手動 |
撮影モードを活用することで、撮影者が意図する写真により近づけることができるようになりますので、ぜひとも抑えておきましょう。
詳しくは後述しますが、撮影モードのアルファベット記号はカメラメーカーによって少し異なります。
オートモード
絞り(F値)、シャッター速度、ISO感度をカメラで自動的に計算する撮影モード。
その名のとおり完全にカメラ任せにして撮影するモードで、ホワイトバランスなども含めてカメラ側で自動的に設定が行われます。
スマートフォンのカメラとやっていることはほとんど同じなため、一眼カメラの実力ってどんなものかなーと試す程度の用途になるかなーと思います。
オートモードについては各カメラメーカーで呼び名が異なっていますので、詳しくはマニュアルなどを参考にしてみてください。
プログラムオートモード(P)
絞り(F値)、シャッター速度をカメラで自動的に計算する撮影モード。(ISO感度については自動もしくは手動設定を選択可)
実質的には前述のオートモードに程近い撮影モードではありますが、ホワイトバランスなどの色情報に関する設定は撮影者で設定可能という点がオートモードと異なります。
さらにプログラムオートモードにはプログラムシフトと呼ばれる機能があり、露出が自動的に決まった後で絞りもしくはシャッタースピードのいずれかを変更することができます。
絞りを変更すると絞り優先モード(A、Av)に、シャッタースピードを変更するとシャッター優先モード(S、Tv)に近い状態に変更できます。
ただし、完全に絞り優先モードもしくはシャッター優先モードになるわけではなく、明るさの変化に応じて値が変わる点には注意が必要です。(PENTAXを除く)
普段は露出をカメラ任せに決めつつも、場面によっては絞りやシャッタースピードを調整したいなんていう使い方ができます。
なお、プログラムオートモードの記号は「P」で、すべてのカメラメーカーで共通となっています。(P:Programの略称)
シャッター優先モード(S、Tv)
シャッタースピードは撮影者で設定し、絞りはカメラで自動的に設定する撮影モード。(ISO感度については自動もしくは手動設定を選択可)
露出に関わる一部の設定を手動で行うことからセミマニュアルモードとも呼ばれています。
シャッタースピードを変更することで、光の取り込む量と被写体の動き(ブレ)を調整することができます。
シャッター優先モードの記号は「S」もしくは「Tv」で、カメラメーカー毎に異なります。(S:Speed、Tv:Time valueの略称)
記号 | カメラメーカー |
---|---|
S | Nikon、SONY、OLYMPUS、FUJIFILM |
Tv | Canon、PENTAX |
FUJIFILMの一部機種は絞りリングを「A」にした上で、シャッタースピードダイヤルを使って調整することでシャッター優先モードとして機能します。
絞り優先モード(A、Av)
絞りは撮影者が設定し、シャッター速度はカメラで自動的に計算する撮影モード。(ISO感度については自動もしくは手動設定を選択可)
前述のシャッター優先モードと同じく、露出に関わる一部の設定を手動で行うことからセミマニュアルモードとも呼ばれます。
絞りの大きさはF値で示されますが、絞り優先モードではこのF値を変更することで光の取り込む量と被写界深度(ボケの大きさ)を変更することができます。
F値のFはFocalの略で、日本語では「焦点の」という意味を持ちます。
絞り優先モードの記号は「A」もしくは「Av」で、カメラメーカーによって異なります。(A:Aperture、Av:Aperture valueの略称)
記号 | カメラメーカー |
---|---|
A | Nikon、SONY、OLYMPUS、FUJIFILM |
Av | Canon、PENTAX |
FUJIFILMの一部機種ではシャッタースピードダイヤルを「A」にした状態で、レンズの絞りリングを使って調整することで、絞り優先モードとして機能します。
マニュアルモード
絞り、シャッター速度、ISO感度をすべて撮影者で設定する撮影モード。
露出に関わるすべての項目を手動設定することから、フルマニュアルモードとも呼ばれます。
露出に関する要素をすべて撮影者で設定できるため自由度の高い反面、カメラを始めたばかりの方にとっては少々敷居が高いのが難点です。(露出補正機能の使用も不可)
ただし、花火や星景といったマニュアルモードでないと難しい撮影もあるので、その際にはお世話になることがあるかと思います。(後述のバルブモードを使う場合もある)
マニュアルモードの記号「M」で、すべてのカメラブランドで共通となっています。
ときどき「プロの方は基本的にマニュアルモードで撮影してるのでは?」という話を聞きますが、実際のところそんなこともないようです。
特殊な撮影モード
ここまで紹介した5つの撮影モードはほぼすべての一眼カメラで共通して搭載されていますが、次のような撮影モードが使える機種も一部あります。
- バルブモード(B)
- 感度優先モード(S)
- シャッター&絞り優先モード(TAv)
以下、それぞれの撮影モードについてざっくりと紹介していきます。
バルブモード(B)
シャッタースピードがバルブ(Bulb)に固定され、絞りとISO感度を撮影者で設定できる撮影モード。
バルブは日本語で「調整弁」という意味を持ち、カメラにおいてはレリーズなどを使ってシャッタースピードを自由に調整することができるというものになります。
このため、シャッタースピードの決め打ちが困難な撮影(花火など)や、カメラの性能を超えるような長時間露光(おおよそ30秒以上)をする場合に威力を発揮します。
記号は各カメラブランドとも「B」が割り当てられています。(B:Bulbの略)
なお、バルブモードについてはPENTAXとCanonの一部機種にのみ搭載されています。
バルブモード非搭載のカメラでシャッタースピードをバルブに設定する場合はマニュアルモードを選択してください。
感度優先モード(Sv)
ISO感度を撮影者が設定し、シャッタースピードと絞りは自動的に計算される撮影モード。
位置付けとしてはシャッター優先モードや絞り優先モードと同じくセミマニュアルモードの一種になります。
フィルムカメラの場合は撮影シーンに応じて特定のISO感度のフィルムを使いますが、それをデジタルで実現したような機能かと思われます。
記号は「Sv」が割り当てられています。(Sv:Sensitive valueの略)
なお、感度優先モードについてはPENTAXの一眼レフカメラでのみ使用可能ですが、実際のところはプログラムオートモードでも似たようなことができます。
シャッター&絞り優先モード(TAv)
シャッタースピードと絞りを撮影者が設定し、ISO感度は自動的に計算される撮影モード。
シャッター優先モードと絞り優先モードを合わせたようなモードで、どちらかといえばマニュアルモードに程近いモードとなっています。(両者の違いとしてはISO感度の調整と露出補正が使えるかどうか)
絞りとシャッタースピードは一律に設定したいけれども、明暗差の移り変わりが激しい環境(ライブハウスや結婚式など)での撮影で威力を発揮してくれます。
シャッター&絞り優先モードの記号は「TAv」で、シャッター優先(Tv)と絞り優先(Av)を掛け合わせたような感じになっています。(TAv:Time and Aperture valueの略称)
なお、シャッター&絞り優先モードはPENTAXの一眼レフカメラでのみ使用可能なモードとなってます。
まとめ
一眼カメラでの写真撮影を楽しむうえで知っておきたい撮影モード。
改めて基本的な5つのモードについてざっくりとまとめると、次の通りとなります。
オートモード | 露出に関わるすべての設定ならびにホワイトバランスなどの色情報に関わる設定が自動で行われる。 |
---|---|
プログラムオートモード | 露出に関わるすべての設定は自動で行われるが、ホワイトバランスなどの色情報は手動で設定できる。 |
シャッター優先モード | 絞り(F値)は撮影者で設定でき、シャッタースピードは自動計算される。(ISO感度については自動/手動どちらも設定可) |
絞り優先モード | シャッタースピードは撮影者で設定でき、絞り(F値)は自動計算される。(ISO感度については自動/手動どちらも設定可) |
マニュアルモード | 露出に関わるすべての設定(絞り、シャッタースピード、ISO感度)をすべて撮影者で設定する。 |
撮影モードを生かすことで自分が意図する作品に近づけることができますので、ぜひ活用してみてください。
最後までご覧いただき、ありがとうございますm(__)m
カメなれっ!の最新記事情報は各種SNSサイトやFeedlyなどのRSSリーダーでご購読いただけます。